喘息 埼玉県上尾市の内科・呼吸器内科・脳神経外科、榎本医院

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喘息

 

喘息

喘息とは、咳や痰(たん)が出たり、のどがゼイゼイ鳴ったりして、呼吸するのが苦しくなる病気です。以前は、喘息は発作のときにだけ、気管支に変化がある病気と考えられていましたが、普段から気管支に炎症があることがわかってきました。

喘息発作では強い呼吸困難を訴え、独特なゼイゼイ、ヒューヒューという音が聞かれます。 喘息患者さんの数は、全国で150万人くらいといわれていますが、毎年、喘息の発作でその中の0.4%にあたる約6000人の方が、呼吸不全で死亡しています。
近年、喘息治療は目覚しく進歩してきました。喘息は適切な予防や治療により改善しますので、受診していただいて治療を継続すれば、健康な人と変わりなく生活できます。

喘息の原因

気管支喘息は気道が敏感になり、慢性の気道の炎症が起こることが原因であるとわかってきました。刺激(ほこり、ダニ、花粉などのアレルゲン)に対して、気道が敏感に反応することを気道過敏性といいます。気道に慢性の炎症があると、気道の平滑筋がさまざまな刺激に対して異常に反応し収縮してしまい、息苦しさ、咳などの症状が現れてきます。

喘息はウイルス感染、運動、ほこりやダニを吸い込むことなどで起こります。激しい運動や飲酒は、肥満細胞から喘息を起こす物質を出しやすくします。季節の変わり目、台風接近前などの気圧の変化、急激な気温変化、たばこの煙、女性では月経や妊娠なども喘息発作の誘因になります。また、解熱鎮痛薬などの薬剤によっても喘息が起こることもあります。

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喘息の症状

気管支喘息では、気管支が収縮して細くなり、息が吐きにくくなることにより、呼吸困難が主な症状になります。初めはのどがつまる感じがあり、咳と痰も出てきます。やがて気管支が細くなると、喘鳴(ゼイゼイ、ヒューヒュー)がおこり、呼吸が苦しくなります。呼吸困難がひどくなると、横になることができなくなり、前かがみに座って呼吸しなければならないほどになります。呼吸困難がしばらく続いたあと、咳や痰が出ます。咳はおもに乾いた性質の咳で、呼吸をより苦しくさせます。痰が出るときは粘り気があり、吐きにくいものです。

重い発作の場合は呼吸困難が激しくなり、かなり長い間持続します。さらに重症になると、血液中の酸素が不足するため、唇や指先が冷たく紫色になるチアノーゼ状態になります。また、重い喘息発作24時間以上持続すると喘息重積状態と呼ばれ、危険な状態で、適切な治療が行われないと死亡することもあります。喘息死のほとんどは、痰がつまることによる窒息死です。通常は副交感神経の緊張が高まる夜間から明け方にかけて、喘息発作が起こることが多いです。

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喘息の検査

喘息の患者さんでは、発作を起こしていない時でも、呼吸機能検査をしてみると、呼吸機能の低下がみられることがあります。気管支拡張薬を吸入してみると、症状や呼吸機能が改善し、喘息の特徴の一つである気道の可逆性(元に戻る)が証明できます。
その他には、胸部レントゲン検査、胸部CTスキャン、血液検査などをすることもあります。

最近喘息の検査として、患者さんの吐く息の分析(呼気ガス分析)をすると喘息の診断が可能なことが確立されてきました。これは機器を使って呼気中のNO(一酸化窒素)濃度を測定するもので、苦しみもなく比較的簡単に測定できます。NO濃度が、一定以上では気管支喘息の疑いが濃くなります。

当院では2017年6月からこの機器を導入しています。

喘息の診断

喘息であるかどうかの診断は、症状の程度や経過を知ることが重要なため、問診が中心となります。喘息の典型的な症状がでているかどうか、今までどのような病気にかかったことがあるか、家族に喘息の人がいるかどうかなども参考になります。
発作を起こしている時の状態を見れば、診断は難しくありません。息が吐きにくい状態を特徴とする呼吸困難が見られ、聴診器で笛を吹いたようなヒューヒューという気管支が狭くなっている音が聞こえます。
喘息かどうかはっきりしない場合など、大きな病院では、気道の過敏性(気道がどの程度細くなり易いか)を調べる、アストグラフという検査をすることがあります。

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いつまでもTRAbが陰性にならない場合や、抗甲状腺薬を中止すると再発する場合には、専門施設にご紹介することになりますが、甲状腺を一部残して切除する甲状腺亜全摘(あぜんてき)手術をするか、放射性ヨードを投与して甲状腺を壊すアイソトープ治療をすることになります。
このどちらを選ぶかは、甲状腺の大きさや年齢、妊娠の希望などを考慮して決定されます。しかしこうした治療によって、将来甲状腺の機能低下症を起こす可能性はあります。なお、妊娠中では抗甲状腺薬はプロパジールを選択することが多く、授乳中にはメルカゾールは投与できないことになっています。
自覚症状がなくなっても治ったわけではなく、いつ薬をやめるか、薬物治療以外の治療に切り替えるかなど、患者さんとよく相談しながら治療をすすめます。

喘息の治療法

治療は薬物療法が中心になります。
喘息の仕組みが解明されてきたため、喘息の薬物療法も変わりました。つまり喘息は気道の炎症から起こることがわかり、炎症を抑える作用が強く、副作用がほとんどない吸入ステロイド薬(パルミコート、フルタイド、キュバール)が治療の中心になりました。
以前は発作時の症状を抑える対症療法が中心でしたが、現在では、気管支の慢性炎症への予防的治療が重要となりました。

以前から使用されてきたケミカルメディエーター遊離抑制剤(インタール、リザベン)、ロイコトリエン拮抗剤(オノン、シングレア)、徐放性テオフィリン薬(テオドール、テオロング)、経口β2刺激剤(スピロペント、メプチン)、吸入β2刺激剤(メプチン、サルタノール)、経皮β2刺激剤(ホクナリンテープ)なども、吸入ステロイド剤を補助する治療薬として用いられます。

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最近では長時間効果のある吸入β2刺激剤(セレベント)や吸入ステロイド剤と吸入長時間作動型β2刺激剤との配合剤(アドエア、シムビコート)なども発売され、治療の選択肢が広がりました。 予防的治療が重要とされている理由は、喘息の患者さんは、発作がない状態でも気管支の炎症があるため、炎症を起さないよう適切な治療を続ける必要性があるからです。

喘息治療の目標は、適切な薬で喘息症状をなくし、日常生活に支障がないように、呼吸機能を正常に保つことです。そして喘息発作が全くない状態を長く続けることが目標になります。
急におこる喘息発作を気管支拡張剤で抑えることも大切ですが、最も重要なのが、ふだんから吸入ステロイド剤を中心とした治療をきちんと行い、炎症を改善させて発作を起こさないようにすることです。
即効性がある吸入β2刺激剤と違い、吸入ステロイド剤は少なくとも数日~1週間以上吸入しないと効果が出ません。発作のない時でも吸入ステロイド剤の治療を続けることが、発作予防につながります。

気道の炎症を放置すると、気道粘膜の障害と気道構造の変化(リモデリング)を起こし、気道が細くなってもとに戻らなくなります。
発作時は吸入β2刺激剤を使い、それでも症状が治まらない場合は、通常の治療薬以外にも、ボスミンの皮下注射、気管支拡張剤(ネオフィリン)やステロイド剤(サクシゾン)の同時点滴、経口ステロイド剤(プレドニン、リンデロン)を内服することなどもあります。

日常生活の注意点

ダニなどのアレルギー対策

最も多いアレルゲンは室内のほこりで、ダニが含まれています。ダニは6月から9月の間に多く、高温多湿を好みますので、特に注意が必要です。

【予防するポイント】

  • 室内でペットは飼わないようにしましょう
  • 部屋の風通しをよくして、湿気をためないようにしましょう
  • じゅうたんや毛布などはできるだけ使わないようにしましょう
  • 花粉の時期は外出する時マスクをしましょう
  • ふとんにも掃除機をかけましょう

風邪などのウイルス感染の防止

風邪などのウイルスに感染すると、喘息の発作が起こりやすくなります。中でもインフルエンザは喘息を悪化させます。シーズン前には、インフルエンザの予防注射は必ず受けるようにしましょう。外から帰ってきた時は、うがいや手洗いをして風邪やインフルエンザの予防をしましょう。

禁煙

たばこや蚊取り線香などの煙も気管支を刺激します。必ず禁煙をしましょう。

運動誘発性喘息の防止

運動したり、走ったりすると喘息の発作が起こることがあります。これを運動誘発性喘息と言います。しかし、喘息の患者さんが運動をしてはいけないということではなく、適切な治療を行えば、運動しても発作は起こりにくくなります。喘息の患者さんの中にはスポーツ選手として活躍している人もたくさんいます。

アスピリン喘息の防止

喘息の患者さんの約10%が、鎮痛解熱剤を使うと発作を起こし、アスピリン喘息と呼ばれています。アスピリンだけではなく、他の鎮痛消炎剤でも発作が起こることもあるため注意が必要です。

精神的なストレスの解消

喘息はストレスなどの心理的な要素も関係していることがあります。普段からストレスをためないように、生活のリズムを整えることも必要です。

喘息の注意点

喘息発作のときには受診して、発作が治ったら治療を中断してしまうような場合、症状が全くなくなっても気管支の炎症は続いています。
繰り返して言いますが、炎症を起さないよう吸入ステロイド剤やロイコトリエン拮抗剤を中心とした適切な治療を根気よく続ける必要があります。

榎本医院
概要

院長
榎本 真也 医学博士
前院長
榎本 哲 医学博士
標榜科目
内科、脳神経外科、呼吸器内科、小児科
医師数
2名
資格
日本内科学会認定医、日本脳神経外科学会専門医
日本救急学会認定専門医、日本脳卒中学会認定専門医
日本脳神経血管内治療学会認定専門医
住所
〒362-0067 埼玉県上尾市中分1-28-7
電話
048-725-1651
アクセス
JR上尾駅、北上尾駅より車で10分・駐車場17台

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