脳神経外科
脳神経外科を受診なさる患者様へ
脳神経外科とは脳、脊髄、末梢神経系およびその付属器官(血管、骨、筋肉など)を含めた神経系全般の疾患のなかで主に外科的治療の対象となりうる疾患について診断、治療を行う医療の一分野とされています。
このように表現すると、手術をするために受診するこわい診療科なのではと思ってしまう方もいるかもしれません。
しかし地域医療の現場における脳神経外科医は、
「外科医の目と技を持った神経系総合医」として神経系初期治療の役割を担っています。
当院では、めまい・立ちくらみがする、手足がしびれる、もの忘れがひどいなどいつもと違うなと感じた時や、急に頭が痛くなった、頭をぶつけてしまったというような緊急の時でも、いつでも相談できる地域に根付いた医療を目指しています。また、生活習慣病(高血圧症、糖尿病、脂質異常症など)をしっかりと管理することで、脳卒中や認知症の予防を行い、皆様の健康を守ります。
受診ご希望の方は水曜日午前中以外に受診をお願いします。
脳神経外科で対象となる症状
- 頭痛
頭痛に悩まされる患者様はとても多く、様々な原因があります。重要なのは怖い頭痛なのか、つらいけども怖くない頭痛なのかを見極めることです。頭痛の原因として多く経験されるのは一次性頭痛と呼ばれ、代表的なのは緊張型頭痛、片頭痛です。一次性頭痛は症状の緩和が主な治療目標となります。一方で脳卒中や脳腫瘍など脳の病気が原因となっている二次性頭痛と呼ばれるものもあり、これらは原因を突き止め、原因に対する治療が必要です。
2021年に「頭痛の診療ガイドライン2021」が刊行され、CGRP製剤(エムガルティ、アジョビ、アイモビーグ)という注射薬が使用可能となり、頭痛診療は大きな転換期を迎えております。当院ではCGRP製剤も含めた専門治療を提供いたします。 - 吐き気、嘔吐
吐き気や嘔吐がある場合、胃腸の異常を疑いますが、脳の異常でもしばしば強く症状が現れることがあります。 - 手や足に力が入らない、しびれる、呂律が回りにくい、顔面の麻痺(左右差)
これらは脳に異常をきたした際に現れる代表的な症状であり、救急隊や救急外来でも脳卒中を疑う症状として用いられています。これらの症状が突然現れた場合は直ちに救急車を呼ぶべきです。急な発症でない場合でも脳や脊髄の病気である可能性が高いので早めに専門医を受診したほうが良いでしょう。 - 呼びかけに対する反応が鈍い
専門的には意識障害と呼ばれます。意識障害の原因は多岐にわたりますが、脳卒中、頭の怪我、てんかん発作は重要な要因です。脳神経外科医や救急医は意識障害のスペシャリストです。迅速に原因を突き止め、適切な処置を行います。 - 頭や顔の怪我
頭や顔の怪我を負った場合、皮膚や骨の損傷もさることながら、頭蓋骨の中(頭蓋内)の損傷の有無がより重要です。診察を行い、必要に応じてCT検査を行います。けがをした直後だけでなく、数時間ほどたってから、場合によっては慢性硬膜下血腫といい、数か月たってからでも頭蓋内に出血が現れることがあります。そのため帰宅した場合でも症状の経過観察が重要です。傷に対しては縫合処置や被覆材を用いて可能な限り跡が目立たなくなるよう努めます。お子様の怪我の場合は症状が分かりにくかったり、不要な被ばく(CT)を避ける必要があったり、特殊な対応が求められます。ご家族が頭や顔を怪我した場合、どうしてよいのかわからなくなってしまう方も多いですが、遠慮なくご相談ください。 - めまい
めまいが原因で受診なさる方は多くいらっしゃいますが、詳しく症状を聞くと「周りがぐるぐるまわる」めまいや「雲のように浮いているような」めまい、「目の前が真っ白になるような」めまい、といろいろなタイプがあります。見逃してはならないものから、様子を見てよいものまで様々な原因疾患が考えられ、その見極めが重要です。 - もの忘れ
もの忘れには加齢による病的でないものと認知症が原因のものがあります。認知症が原因の場合は体験したこと全体がすっぽり抜け落ちるように忘れてしまい、ヒントがあっても思い出せず、症状の自覚がありません。また、進行性であり、日常生活に支障をきたします。高齢化が進むとともに認知症の方は増加し、2025年には軽度認知障害(MCIと呼ばれる正常と認知症のグレーゾーンの状態のこと)を含めると65歳以上の3人に1人が認知症またはその予備軍となると見込まれています。
脳神経外科で対象となる疾患
- 脳卒中
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血を指します。脳血管が細くなったり、詰まってしまったり、あるいは破れてしまったりすることで脳が障害を受け、頭痛、頚部痛、めまい、意識障害、運動麻痺、感覚障害、言語障害、視野障害などの神経症状が急に生じます。2019年のデータでは脳卒中は癌、心臓病、老衰に次いで死亡原因の第4位であり、寝たきりの原因の第1位です。当院では生活習慣病を適切に管理し、脳卒中になることを予防し、脳卒中を経験された方では再発予防を行います。 - 脳腫瘍
脳腫瘍とは、頭蓋骨の内側にできる、できもの(新生物)のことをいいます。一口に脳腫瘍といっても、発症する部位や、悪性度などにより分類され非常に多くの種類が存在します。日本脳神経外科学会による全国集計により、発症する頻度、好発年齢、性差が明らかとなってきており、それをもとにあたりをつけ、最終的には大きな病院で病理診断することで確定診断に至ります。代表的には神経膠腫、髄膜種、下垂体腫瘍、神経鞘腫があり、これら4つで原発性脳腫瘍(頭蓋内から発生する腫瘍)のうち、80%を占めます。手術、放射線治療、薬物治療が主要な治療法となります。 - 頭部外傷
代表的には急性硬膜下血腫、急性硬膜外血種、外傷性くも膜下出血、脳挫傷、頭蓋骨骨折、皮下血種(たんこぶ)、慢性硬膜下血腫などがあります。経過観察で良いものから、緊急手術が必要となることもあります。 - 認知症
認知症にはいくつかの種類がありますが、主なものとして、アルツハイマー型認知症(67.6%)、脳血管型認知症(19.5%)、レビー小体型認知症(4.3%)が挙げられ、これらで全体の90%以上を占めます。認知症の種類によって、症状も変わってくるので、それぞれに合わせた適切な対応やケアが重要になります。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症のように外科的な治療が選択肢となるものもあります。 - てんかん
脳の神経細胞は規則正しくお互いに調和を保ちながら電気的な活動をしていますが、この調和が何らかのきっかけで突然崩れ、異常興奮が生じることで起きるのがてんかんです。異常な電気活動に巻き込まれる脳の部位によって発作のタイプは様々であり、ひきつけ、けいれん、突然反応が鈍くなりぼーっとする、体がピクッとする、意識がないまま動き回ったりするなどが代表的な症状です。てんかんは繰り返し発作が起きる慢性の病気ですので、長期的な視点で向き合っていく必要があります。CTやMRI検査などの画像検査で原因となる病気がみつかる場合もありますが、半分以上の方は画像検査では異常がみられません。脳波検査で異常がみつかることがあります。治療は主に薬物治療を行いますが、手術治療が有効なものもあります。抗てんかん薬を内服して、発作の起きづらい状態に保てば、日常生活に支障なく暮らせる場合も多いです。しかし、一部の患者さまは薬を数種類内服しても発作を制御しきれないことがあり、その場合はてんかん専門医のいる専門施設を紹介いたします。
榎本医院
概要- 院長
- 榎本 真也 医学博士
- 前院長
- 榎本 哲 医学博士
- 標榜科目
- 内科、脳神経外科、呼吸器内科、小児科
- 医師数
- 2名
- 資格
- 日本内科学会認定医、日本脳神経外科学会専門医
日本救急学会認定専門医、日本脳卒中学会認定専門医
日本脳神経血管内治療学会認定専門医 - 住所
- 〒362-0067 埼玉県上尾市中分1-28-7
- 電話
- 048-725-1651
- アクセス
- JR上尾駅、北上尾駅より車で10分・駐車場17台
診療時間・休診日
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日祝 |
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9:00 ~12:00 |
● | ● | △ 第一水曜 |
● | ● | ● | 休 |
15:00 ~18:00 |
● | ● | 休 | ● | ● | 休 | 休 |
- 外来休診日
- 第一水曜日、土曜日午後、日曜・祝祭日
- △第一を除く水曜は午前中診療